監査法人の充実・強化
今朝の日本経済新聞朝刊の19面「大磯小磯」より。先にご紹介したみすず監査法人の記事では、J-SOX法の適用に向けた監査役のあり方について語られていましたが、今回の記事では監査法人のあり方について語られています。既に読まれた方も多いかとは思いますが、以下にサマリを記します。詳細は紙面をご確認ください。
・金融審議会が監査法人のあり方について提言をまとめ、これを受けて公認会計士改革が進められている。
・財務報告における虚偽記載等の防止という課題を解決するには、監査人の独立性を担保した上で組織監査を如何に実施するかということが本質である。
・個人事務所の集合体としてではなく、監査法人が組織的に財務監査と一体となって内部統制監査を実施する条件を整備することが、公認会計士法改正の眼目となるべきである。
・監査法人の組織監査を実施する上で最も重要なのは、監査人の独立性の確保である。日本には本来監査の対象であるはずの企業経営者が監査人の選任と報酬を決める「ねじれ」現象がある。国際的には、監査人の選任と報酬は監査委員会が決定することが常識になっており、この点に関して法的措置を直ちにとる必要がある。
財務報告の信頼性にかかわる事件が後をたたない。2008年度からは上場企業に内部統制ルールが義務付けられる。さらに、金融審議会が昨年末、監査法人のあり方について提言をまとめ、これを受けて公認会計士法改正が進められている。監査法人のあり方について、マスコミの関心は、監査法人の刑事責任に集中した感がある。だが、財務報告における虚偽記載等の防止という喫緊の課題を解決し、高品質の安定した監査を継続的に確保する観点からいえば、監査人の独立性を担保したうえで組織監査をいかに実施するかということが本質であろう。 (「監査法人の充実・強化(大磯小磯)」日本経済新聞 2007/2/2朝刊)