内部統制実務の要点は、報告書提出09年3月期から
先の記事と同じく、今朝の日経産業新聞よりご紹介します。J-SOX法導入における実務上のポイントについて、監査する側にいるトーマツ企業リスク研究所の久保恵一所長と、あずさ監査法人の経営改革支援本部の森居達郎副本部長に聞いています。どうすれば内部統制監査でOKがもらえるのか?そのような観点で語られている箇所を一部引用します。詳細は紙面をご確認ください。
―内部統制の不備はどの程度まで許されるのか。
「小さなもの一つだけなら大丈夫かも知れない。しかし小さなミスでも積み重なれば大きくなる。累計で5%を超えるようになれば、適正の意見はつかない」
―これまでの監査では財務諸表にミスが見つかっても修正すれば適正の意見をもらえたが、内部統制ではどうか。
「残念ながらそうはいかない。例えば会計監査で財務諸表に重大なミスが見つかれば、内部統制の監査では不適正意見が付されることになる。仮に内部統制の仕組みを改善したといっても、適正意見となるのは次の期以降だ。米国では会計監査は適正だが内部統制は不適正という事例が相次いだ。日本でも同様の事例が多数、出てくることが予想される」
―会計監査に問題がなければ、内部統制の体制がある程度できているといえるのではないか。
「そうとは言い切れない。内部統制に力を入れる余裕がない新興企業だけでなく、歴史ある上場企業でも内部統制が不備なケースがある。初年度はかなりの企業が重要な欠陥があるとの表明をする可能性もある」
「その改善のために内部統制が機能できる範囲まで業務を削減することも効果的だ。内部統制の制度を整える意志がないなら非上場の道を目指すこともあるだろう。上場はしたいが内部統制は整備しないという選択肢はない」
(日経産業新聞 2007/1/30)