2007-03-09

実施基準の重要ポイント ~委託業務の評価

先にご紹介した 企業会計2007年4月号 の特集記事「内部統制報告基準および実施基準の重要ポイント」では、「委託業務の評価」が重要ポイントの一つとしてあげられています。みなさんの関心も高いところかと思いますので、都正二氏(新日本製鐵株式会社 財務部部長/内部統制部会作業部会委員)が語られた内容について、一部引用してご紹介します。

委託業務については、こうした内部統制の評価報告制度による要請以前の問題として、そもそも専門会社に任せるということで、当該業務がブラックボックス化しやすくなるという恐れがありますので、その業務について、委託元の方からきちっと中身が見える仕組みを予め構築しておく必要があると思っております。そうしたことから、委託先に業務そのものは任せるとしても、まず契約の段階で、委託する仕事をどのようなレベルで、そしてどのようなやり方でやってもらうかということをしっかり取り決めておくことが必要です。

そして、今度はその仕事をしてもらった結果である成果物の受領において、業務が的確に行われたということの確認もきちっとしておく必要がある。そういうふうに入口と出口をきちっと押さえるということがポイントの1つであり、それに加えて、業務が行われる中身についても、任せる側として、業務そのものが的確に行われる仕組みになっているかどうかを確認しておく必要があると思います。

(中略)

(委託先から評価結果の)報告書をもらうことは、評価のやり方を効率的に行うという観点からあり得ると思います。ただ、私は、それは単に制度上の評価のためにそれをやるのではなくて、会社は、しっかりした仕事を委託会社がやってくれるかという観点から、経営上の意味合いに基づき、それを確認する必要があると思っています。

(「内部統制報告基準および実施基準の重要ポイント」企業会計2007年4月号)

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